2014年(平成26年) 7月22日策定 、2020年(令和2年)8月19日改訂
1 いじめの定義といじめに対する本校の基本的な考え方
<いじめの定義>
「いじめ」とは、児童に対して、当該児童が在籍する学校に在籍している等当該児童と一定の人的関係にある他の児童が行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童が心身の苦痛を感じているものをいう。
「いじめ防止対策推進法第二条」より
<基本理念>
いじめは、いじめを受けた児童の教育を受ける権利を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあり、決して許されるものではない。
また、いじめはどの子どもにも、どの学校においても起こりうるものであること、だれもが被害者にも加害者にもなりうるものであることを十分に認識する必要がある。
したがって、本校では、全ての児童が安心して学校生活を送り、様々な活動に取り組むことができるよう、全ての児童がいじめを行わず、他の児童に対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめが児童の心身に及ぼす影響その他のいじめの問題に関する児童の理解を深めることを旨として、いじめ防止等のための対策を行うこととする。
2 学校におけるいじめの防止等の対策のための組織
いじめの防止等の取り組みを実効的に実施するため、次の機能を担う「いじめ問題対策委員会」を設置する。
(1) 組織の構成
学校長、教頭、生活指導担当、該当児童関係教職員 ※必要に応じて、人権教育推進担当、養護教諭のほかスクールカウンセラーなどの外部専門家、PTA役員、学校評議員 等を加える。
(2) 活動内容
・いじめ問題対策を含めた生徒指導年間計画の作成・実行・検証・改善に関すること
・いじめの防止に係る資質向上のための研修会等の企画・運営に関すること
・いじめの防止に関すること
・いじめの早期発見に関すること
・いじめの早期解決に関すること
・いじめに関する情報の収集及び共有
3 いじめの防止等の対策のための具体的な取り組み
全ての児童を対象にいじめに向かわせないための未然防止や早期発見、早期解決に取り組む。
(1)いじめの未然防止
○互いを認め合える人間関係・学校風土をつくる。
・人権教育を推進し、いじめは人権侵害であり人として決して許される行為ではないことの理解を深める。「命」の大
切さを学び深める。
・はやしたてたり見て見ぬふりをすることも、いじめの肯定につながることを理解させ、日頃よりいじめを許さない学
級づくり・集団づくりに努める。
・規律正しい態度で、主体的に参加・活躍できる授業や行事・活動を推進する。
・体験活動や交流活動を通して、表現力やコミュニケーション能力を育成する。(全校活動・学級活動・縦割り班活
動・児童会活動・グループ学習等の活用)
・情報モラル教育を推進し、情報機器やシステムの正しい利用法、危険性についての理解を深める。
・教育相談やスクールカウンセラー・ハートケア相談員との情報交換、学級満足度調査等を活用し、児童一人ひとりの
理解を深めるとともに、研修会を実施し教職員の資質の向上を図る。
○自己有用感や自己肯定感を育成する。
・道徳の時間は勿論、日常の学校生活の各場面を通して、自己有用感や自己肯定感の育成を図 ・なかまの良いとこ
ろを見つける活動を取り入れ、一人ひとりの良さを認め合える学級づくりを進める。
・授業改善を進め、わかる・できる授業を実践し、児童一人ひとりに充実感ややる気を持たせる。
・学級活動や縦割り班・委員会・係等の活動および地域の行事・活動を通して、人から認められたり、喜んでもらえる
機会を体験させる。
・エンカウンターやソーシャルスキル、ライフスキル等を活用し、社会性や人間関係についての力量を高める。
○保護者や地域との連携を図る。
・「学校いじめ防止基本方針」を公表し、保護者や地域との共通理解を図るとともに、日頃から、連絡・連携を密に取
り合える関係づくりを進める。
・PTAの研修会や行事・親子学習、教育を語る会、地区懇談会、個別懇談、家庭訪問等を活用し、保護者や地域の
人々・教職員が子どもの人権について共に学ぶ場やそれぞれの児童について話し合い理解を深める機会を設定してい
く。
・授業参観や学校行事、学校便りや学級通信・保健だよりの発行、ホームページの更新などを通して、学校の取り組み
や子どもたちの現状を知らせ、理解や協力を得るように努める。
・中学校区幼小中連携教育や中学校区人権教育推進協議会・青少年育成会等の関係団体と連携し、いじめ防止対策に努
める。
・情報モラルについて、講演会などの研修機会の設定や学校学級の通信・冊子・パンフレット等を活用し保護者への啓
発を進め、保護者と児童がルールを決めたり共に考え話し合う機会が持てるように取り組む。
(2)いじめの早期発見
○いじめを相談しやすい相談体制を整備する。
・児童と学校職員との信頼関係、児童同士の信頼関係の構築に努める。
・スクールカウンセラーやハートケア相談員等の来校日はもとより、児童が気軽に話せる(相談できる)場や時間・機会
を設定する。
○いじめの実態の把握に努める。
・授業中はもちろん、日記指導や朝の会・帰りの会等の学級活動を通して児童の実態の把握とそれらの情報の共有を行
う。児童が示す変化や信号(サイン)を見逃さないよう努める。
・いじめに繋がる行為を見逃さず、常に情報共有をする。
・定期的なアンケート調査やカウンセリング(教育相談)を実施する。
・職員会議や校内研修会、校内特別支援教育推進委員会等での情報の収集・交換を十分に行う。
・学級満足度調査(QU)を実施し、児童一人ひとりの把握や各学級の状態の把握に活用する。
○家庭・地域と連携して取り組む。
・家庭訪問等を通して、保護者との関係を深め連携を強める。
・日頃から、保護者と接する機会を多く持つことにより、円滑な連携ができるようにする。
・児童や保護者からの相談や申し入れに対しては、誠実に受け留め誠意を持って対応する。
・児童の参加する地域の活動・行事に参加し、児童の様子を観察するとともに、地域や保護者との信頼関係を構築す
る。
(3)いじめの早期解決
○いじめの解決に向け、取り組みを進める。
・いじめと見られる行為を認めたときは、当該教職員がいじめ対策委員会に報告し、速やかにいじめられた児童やいじ
めた児童、知らせた児童、関係児童・集団から事実関係を聴取し、情報を共有する。
・情報収集を綿密に行い、事実確認をしたうえで、いじめた側の児童に対しては、毅然とした態度で指導に当たるとと
もに、いじめに至った心のケア―にも努める。
・いじめた側の児童だけではなく、傍観者である児童に対しても、いじめている側の立場と同様であるということを指
導するとともに、いじめられた児童の苦しみや痛みに思いを寄せる指導を行い、「いじめは決して許されない行為で
ある」という認識を持たせる。
・いじめ問題には、関係する職員だけがあたるのではなく、的確な役割分担を行い全職員が対応協議する。
・いじめに対する研修を行い、教職員の資質向上に努める。
○いじめを受けた児童や保護者等へ支援する。
・いじめを受けた児童やいじめを知らせた児童を見守る体制を整え、安全を確保する。
・いじめを受けた児童の身の安全はもちろん、養護教諭がスクールカウンセラーやハートケア相談員等の相談者と連携
を密にとり、心のケア―にも全力を尽くす。
・いじめを受けた児童の保護者とは、十分に連絡連携を取り合う。特に、事実確認の結果や学校の取り組み等の情報に
ついては、納得がいくまで丁寧に伝えるとともに、家庭での様子や友だち関係等の情報の聞き取りを行い指導に生か
していく。
○関係機関と連携する。
・松阪市教育委員会事務局学校支援課に報告し、必要に応じて、関係機関と連携をとる。(子ども発達支援センターそ
だちの丘・子ども支援研究センター・人権まなび課・青少年センター・こども未来課家庭児童支援係、中勢児童相談
所など)
・学校内だけでなく、各種団体や専門家とケース会議を持つたり、心のケア―を要請するなどし、連携・協力して解決
にあたる。
・犯罪として取り扱われるべきと認められる事案については、松阪市教育委員会に連、絡を取り、警察とも相談を進め
ながら対処する。児童の生命や身体・財産に重大な被害が生じるおそれのある場合、緊急な対応が必要な場合は、直
ちに警察に連絡を取り対処する。
〇いじめの再発防止に努める。
いじめが解決したと思われた後も、学校が知らないところで陰湿ないじめが継続する可能性がある。そのため、その後の様子を継続的に見守るとともに、いじめの未然防止の方策をその都度検証し、改善を図ることにより再発防止に努める。
なお、いじめが「解消している」状態とは、少なくとも以下の2つの要件が満たされている必要がある。ただし、これらの要件が満たされている場合であっても、必要に応じて他の事情も勘案して判断するものとする。
①いじめに係る行為が止んでいること
被害者に対する心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)が止んでいる状態が相当の期間継続していること。この相当の期間とは、少なくとも3か月を目安とする。ただし、いじめの被害の重大性等からさらに長期の期間が必要であると判断される場合は、この目安にかかわらず、松阪市または対策審議会の判断により、より長期の期間を設定するものとする。学校関係者は、相当の期間が経過するまでは、被害・加害児童生徒の様子を含め状況を注視し、期間が経過した段階で判断を行う。行為が止んでいない場合は、改めて相当の期間を設定し状況を注視する。
②被害児童生徒が心身の苦痛を感じていないこと
いじめに係る行為が止んでいるかどうかを判断する時点において、被害児童生徒がいじめの行為により、心身の苦痛を感じていないと認められること。被害児童生徒及びその保護者に対し、心身の苦痛を感じていないかどうかを面談等により確認する。
4 重大事態への対処
(1)重大事態とは
いじめ防止対策推進法第二十八条で、次の場合を重大事態として、学校の設置者又はその設置する学校は、その事態に対処し、組織を設け、速やかに事実関係を明確にするための調査を行うものと規定されている。
一、いじめにより本校に在籍する児童等の生命、心身又は財産に重大な被害が生じた疑いがあると認められるとき。
二、いじめにより本校に在籍する児童等が、相当の期間学校を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき。
※ 一の「心身又は財産に重大な被害」については、いじめを受ける児童の状況に着目して判断する。例えば、次のようなケースが想定される。
・児童が自殺を企図した場合
・身体に重大な傷害を負った場合
・金品等に重大な被害を被った場合
・精神性の疾患を発症した場合
※ 二の「相当の期間」については、不登校の定義をふまえ、年間30日を目安とする。児童が一定期間、連続して欠
席しているような場合には、上記目安に関わらず、学校長やいじめ対策委員会の判断により、迅速に調査に着手する。
※児童や保護者からいじめられて重大事態に至ったという申し立てがあったときは、その時点で重大事態が発生したものとして報告・調査等に当たる。
(2)重大事態発生時の対応
・重大事態が発生した場合は、松阪市教育委員会に速やかに報告する。
・松阪市教育委員会と協議の上、専門家を加えた当該事案に対処する組織を設置する。
・上記組織により、事実関係を明確にするための調査を実施する。
・調査結果をふまえ、必要な措置を講じる。
・いじめを受けた児童及びその保護者に情報を適切に提供する。